ソダーバーグ関連文書
もうご存知の方もいらっしゃると思いますが、スティーヴン・ソダーバーグについては、映画研究者の藤井仁子氏が文章を書いています。
「ソダーバーグを勝利させないことの思いがけない難しさについて」
ソダーバーグの「下手」さについて具体的な演出から指摘した、なかなか貴重な論文ではないかと思います。
あるいは、「ある映画作家」によるブログから、『チェ』についての文章も。
他に、参考になりそうなソダーバーグについての文章をご存知でしたら、教えてくださいー。
もうご存知の方もいらっしゃると思いますが、スティーヴン・ソダーバーグについては、映画研究者の藤井仁子氏が文章を書いています。
「ソダーバーグを勝利させないことの思いがけない難しさについて」
ソダーバーグの「下手」さについて具体的な演出から指摘した、なかなか貴重な論文ではないかと思います。
あるいは、「ある映画作家」によるブログから、『チェ』についての文章も。
他に、参考になりそうなソダーバーグについての文章をご存知でしたら、教えてくださいー。
次回[Lehrstucke 04]の日程が決まりました。
2010年1月17日(日)
14:00~18:00
早稲田大学学生会館 W505
『インフォーマント!』と『倫敦から来た男』についての発表と討議が中心です。
参加をご希望の方は「連絡」のページからお願いします。
「あいさつ」でも書きましたが、学生の方はもちろん、社会人の方のご参加も大歓迎です。
皆様のお越しをお待ちしております!
次回[Lehrstucke 04]の発表&討議対象作品、『倫敦から来た男』(タル・ベーラ)と、『インフォーマント!』(スティーヴン・ソダーバーグ)の、上映情報(2009年12月12日時点)。
『倫敦から来た男』
シアター・イメージフォーラム(渋谷)にて上映中
10:45/13:30/16:15/19:00
※12/17・19・25はトークショーあり
映像美を語る ~光と影の芸術作品~
12月17日(木)19:00の回 上映前
若木信吾さん(写真家)×立川直樹さん(プロデューサー/ディレクター)
“監督タル・ベーラを語る” ~世界の映画人を魅了する孤高の芸術家~
12月19日(土)13:30の回 上映後
田中千世子さん(映画評論家・映画監督)×市山尚三さん(映画プロデューサー)
“文豪ジョルジュ・シムノンを語る” ~脅威的ベストセラー作家の隠された素顔~
12月25日(金)19:00の回 上映前
堀江敏幸さん(作家)×長島良三さん(原作翻訳者)
堀江氏の話はぜひ聞いてみたい。
あと、こんなコメントもイメフォのサイトに載ってました。
光と影だけの世界に繰り広げられる夢とも言えない因果なるレアリスモ。
金縛りにあったら身を任せよう。これでも始まりと終わりがあるのだ。
―――細野晴臣さん(音楽家)
『インフォーマント!』
シネマスクエアとうきゅう(歌舞伎町)、恵比寿ガーデンシネマにて上映中
シネマスクエアとうきゅう
11:40/14:00/16:20/18:40
※「新宿東急ミラノビル」「シネマスクエアとうきゅう」いずれかで上映
恵比寿ガーデンシネマ
11:30/14:00/16:30/19:00
いずれも、いつまで公開されているかわからないので、次回参加を考えている方はお早めにご鑑賞いただけますよう!
最初の発表を務めさせていただきました鈴木です。
正直さしてタランティーノに格別な思い入れがあるわけでもなく、かといって『デスプルーフ』がつまらないなどとは口が裂けても言えないという、『イングロリアス・バスターズ』を監督した者に対する曖昧な立場を抱え込んだまま彼の最新作を観るという個人的な事情が、自分の発表の内容にも好ましくない形で反映されてしまったように思います。というのも、映画において展開されている行為や行動、人物間の関係について十分に思考を及ぼすことなく、スクリーンに映っている事物や身振りを一方的に優位なものとして扱ってしまうという、いってみればテマティスムの陥穽とでもいうようなものに知らずしらずのうちに嵌ってしまっていたからです。まさに非常に悪い意味で「表層的」に「記号との戯れ」を演じてしまっていたという・・・。
しかしながら、そのような指摘が大寺先生からなされたことで自分の課題も浮き彫りとなり、また差異が差異として固有の人々の声という形で顕在化されていく<場>そのものの在り方に思考が触発されることで、もっとおもしろく、そしてつよくしなやかに映画が観られそうだなあ、となんとも楽天的な感想を持ったのでした。
三日後にカサヴェテスのbox発売記念イベントであった、会に参加する可能性のあった年上の友人に『イングロリアス・バスターズ』をどのように観たかと尋ねてみたところ、<しるし>を刻む役割として全体を統括していたはずのレイン(ブラッド・ピット)が既に首に非常に深い傷を負っている、あの傷の深さは尋常ではない、既に死んでしまっていたのではないか、という不吉極まりない持論をぶつけられ困惑しているところを畳み掛けるように、さらに友人の友人であるもう一人の方が、いやあれは首に熱したタイヤを押し付け引きずり回すという拷問の結果残った傷なのだ、その証拠にブラピがいつも顎を突き出したような顔をしているだろう、あれは拷問による物理的衝撃から顔面の骨格が歪むなり麻痺が生じるなりしているからなのだ、と落ち着いた口調で滔滔と述べました。いやはやなんという・・・。
勝手に[Lehrstucke]を場外にて延長してしまったので(笑)、これらの意見を共有したいと思います。あと、蛇足ですが、『チャイニーズ・ブッキー~』を観てカサヴェテスってゴダールよりすごいんじゃないかと思ってしまいました。この優劣の比較に何か生産的な意味があるのかないのかわかりませんが、ほんともっとスクリーンで観たいですよね。
去る2009年12月6日、[Lehrstucke 03]が無事終了しました。
ご参加下さった皆さん、ありがとうございました。
運営上の反省点はいろいろとあるのですが、終了後に連れだって入ったネパール・カレー屋(味:普通)で参加者の皆さんに感想を聞いたところ、芳しい感想を多く耳にしたので、何はともあれ、実のある議論が交わせていたのだと思います。
さて、いつの間にか三回目を数えていた[Lehrstucke]ですが、来たことのない方の中には、そもそも[Lehrstucke]ってどういう意味なのか、とか、何をしている集団なのか、といった疑問をお持ちの方もいるだろうと思います。このブログでは、[Lehrstucke]に来たことがないけれど興味のある方に、なんとなくその雰囲気を知ってもらえるようなことを書こうと思います。
[Lehrstucke]の語源や意味については、このサイトの右側に表示される、大寺さんによる説明のとおりです。[Lehrstucke]は「教育劇」です。
「教育劇」という言葉だけ聞くと、なんか昔小学校の道徳の授業で見せられたような、疑わしい姿形の半・有機物=着ぐるみたちが歌って踊って楽しく学校教育的なイデオロギーを植え付けるTV番組(まあ、要はNHKの子ども向け番組だったりするわけですが)を思いだしそうですけれど、それと、ここでの、ブレヒトが考えた意味での「教育劇」とは異なります。
むしろここでいう「教育」とは、観客自らに立ち位置を把握させ、観客のものの見方の更新を図ることに他なりません。しかもそうして「教育」がなされた後では、「教育劇」という場自体の見られ方/見え方も変わっていく。
つまり、[Lehrstucke]はあらゆる意味において、絶えず変化にさらされることを目指す場であるということです。
では、具体的にどのようなことをしているのか。ちょっとダラダラしてしまうかもしれませんが、[Lehrstucke 03]を例にとり、とりわけ『イングロリアス・バスターズ』をめぐる発表と討議で、だいたいどのようなことが話し合われたかを書いてみようと思います。(詳しい議事録というか文字起こしは、「アーカイヴ」のページに順次アップロードしていく予定です。)
一人目の発表者は、『イングロリアス・バスターズ』において煙やキセル、埃といったモティーフ、あるいは、赤・黒・白という(ナチスの旗の)色がどのように変奏され、どのような場面で現れ、どのような役割を担っているかを解明することから、タランティーノにおける<復讐>の倫理へと論旨を発展させました。
二人目の発表者は、『イングロリアス・バスターズ』鑑賞後に抱いた感想や印象を慎重に言葉にすることで、これまでのタランティーノにはなかった、見る者に手に汗握らせる会話、具体的には、冒頭のナチス将校と農家の男の会話や、カフェでの女とナチス将校の会話、映画館でのドイツ人女優とナチス将校との会話に迫ろうとしていました。
この二つの発表に対し、大寺氏からは、どちらもこの映画がなぜ手に汗握らせるのか、ということまでは言及できていない、と指摘がなされました。それはこの映画における<装うこと>の主題と関係があるのではないか、という大寺氏の読解をめぐり、さらに議論が発展していきました。
他にも、観る者に手に汗握らせる会話として挙げられた先の三つの場面の演出の違いに言及する指摘や、『イングロリアス・バスターズ』にしばしば現れる<しるし>をつける演出が、これまでのタランティーノの作品と比べても異質な効果を発揮しているといった指摘がなされ、さらには、[Lehrstucke 01]で議論したジェームズ・マンゴールドとタランティーノのジャンルに対する意識の違いから、最後にはタランティーノはいったいどんな野郎(‘basterd’)なのか、という話にまでいたる、縦横無尽な議論が交わされました。
……という感じです。
興味のある方は、次回ぜひお越し下さい。
こうやって文字で書いているだけでは、はっきり言って実際に参加している時に感じている楽しさの半分も書き表せていないと思います、われながら。ですから、ぜひ一度、覗きに来てみて下さい。自分の考えていることが、他の人の考えていることと絡み合って変化してゆくスリルを四時間みっちり体験できる、密度の高い場になっているのではないかと思います。
次回[Lehrstucke 04]は1月16日か17日(決まったらお知らせします)、対象作品はスティーヴン・ソダーバーグの『インフォーマント!』とタル・ベーラの『倫敦から来た男』の二本です。次回の詳細については、「次回の予定」のページをご覧下さい。
参加希望のご連絡やお問い合わせは、「連絡」のページからお願いします。
では、お待ちしています!